人工衛星が世の中の各所を監視(盗撮)しているなんて風に受け取れる、
似非ドキュメンタリー番組が存在する某国。
そんな番組に採り上げられる、画質が微妙な一連の映像には、
建物の中の様子(配置された家具の種類や、人物の髪型まで)が、
かなり正確に判別可能なレベルで映っていたりする。(天井はどこに行った?
撮影されていることを知る由もなく映り込んだ人々の、
性別や細かい動向まで分かってしまう動画を連続で見せられると、
防犯カメラの映像(真上からの視点は妙だが)や、
実質上、盗撮以外の何物でもない映像を、
人工衛星からの映像などと称して、
一応の合法性(?)をアピールしているなんて風に考えるしかない。
ミレニアム前後の5年、その国に滞在していた間、
後にも先にもそんな番組を目にしたのは一度だけだったと思うが、
広大な国土の治安を守るためには、
必要とされて話が通ってしまう、“その国らしい”詭弁の一種なんだろうかと、
少々皮肉交じりな興味を伴って記憶に留まった。
つづく。